木材になりたい

ミュージカルの感想と妄想と持論をひたすら垂れ流す

DEAR EVAN HANSEN

 

Dear Evan Hansenは社会不安障害を持つ17歳の少年が主人公の物語だ。

学校には会話する程度の知り合いはいるけれど友達と自信を持って言える相手はいないし、母子家庭のため仕事が忙しい母親も家にはほとんどいない。

そんな孤独な彼は、なんとなく自分が世間と切り離された傍観者のような存在に感じている。
 

 

そんな彼の気持ちを歌った『Weving Through a Window』を聞き、この歌詞を読んだとき、絶対にこの作品は生で見てみたいと思った。

(この作品を知らない人は、ひとまずこの曲だけでもいいから聞いてほしい。)

 

 

彼は木から落ちたことが原因で左手を骨折していて、母親に「友達にギプスにサインしてもらいなよ!」と言われるけれど、ギプスに名前を書いてくれる友達すらいない。

WTaWの、僕が木から落ちた時に音ってしてたのかな。という歌詞がとても切ない。

木から落ちて怪我をしても誰にも気にも留められない、ただただ周りの人を眺めているだけのエヴァン。

 

そんな彼が、同じく学校で浮いているいわゆる問題児のコナー(エヴァンが好意を持っているゾーイの兄)とひょんなことから会話をし、ギプスにサインを書いてもらうことになる。

「これでお互いに友達がいるふりができるな。」と話すコナー。

(ここでも他者からの目線なんですよね。友達がいることというよりも、友達がいるように見えることが重要というか。)

 

エヴァンはセラピーの先生に自分宛に毎日手紙を書く課題を出されていて、その手紙を印刷しているところだったのだけど、その手紙の中にはゾーイに対する想いがつづられていて、それを読んだコナーは手紙を持ったまま怒って出て行ってしまう。

そして、コナーはそのあと自殺をしてしまい、『Dear Evan Hansen』と書かれたエヴァンが自分宛に書いた手紙を、家族はコナーが書いたものと思い、問題児だった自分の息子にも友人がいたのだと勘違いをする。

エヴァンは最初は否定をするけれど、ギプスにもコナーの名前が書かれていて、その否定を家族は信じない。

普段誰からも気付かれず、自分の話に誰一人耳を傾けてもらえないエヴァンが、コナーの両親やずっと好きだったゾーイに注目され話を聞いてもらえる。そして、息子のことを知りたいという母親の気持ちを思ってエヴァンはコナーと親友だったことにし作り物の思い出話をしてしまう。

そしてその話が学校で同級生に興味を持たれ、コナーが忘れられないように立ち上げたプロジェクトでのスピーチがSNSで広まりエヴァンは注目されるようになってくる…。

ゾーイとも恋人同士となることができ、コナーの両親にも本当の息子のように接してもらえるようになり、彼は一時孤独ではなくなる。

そこでめでたしめでたしと終わるわけではなく、最後は紆余曲折を経てコナーの家族に真実を話し彼らの元を去ることになる。

 

 

エヴァンのように社会不安障害を患っていなくても、友達がいても、なんとなく自分の存在意義がわからなくなったり、周りと自分が切り離されているような周りに何も影響を与えていない人間なのではないかと考えたことのある人は少なくないのではないか。

大人になると自分とは関係のない周りの目はあまり気にならなくなったりするけれど、『自分は周りからどう見えるのか。』がとても気になった経験は誰しもあるんじゃないかと思うし、学生の頃なんかは周りからの評価がすべてだと思ってしまったりもする。

 

現代の日本では『インスタ映え』という言葉がとてもよく聞かれる。

インスタグラムで『いいね』をもらえるような写真栄えのするごはんを食べに行ったりきれいな写真がとれる場所に行く人がとても増えているようだ。

何処かに行くことや何かを食べることを目的とし、その目的の一つとしてインスタ映えを目指すならともかく、インスタに写真をあげて『誰かにいいね』と言われることのみを目的として行動し、写真を撮ったあとはろくに味合わずに食べ物を捨ててしまう人もいるとテレビで言っていた。

誰かに認められたいという承認欲求や自分が社会に必要とされていると感じたいという社会欲求と愛の欲求は、マズローの欲求段階でもちょうど中間層とその一つ上に位置しており、人間の基本的欲求として昔から知られているものだ。

その欲求が満たされないと人は不安になったり虚無感を感じたりする。

 だけど作り上げた自分、誰かに見せるため誰かにいいねと言われるための自分を周りに認められて賞賛をうけたとしても、本当の意味での承認欲求は埋まらないのではないかとも思う。

 

またSNSというある程度オープンな場で簡単に他人と繋がれ、他人の生活を垣間見られるようになったからこそ、自分の生活と他人を比較し幸せの判断基準としてしまうことも増えたのではないかと思う。

そしてエヴァンのような他者と繋がりを 持つことに困難を感じる人は、画面に映し出される周りの楽しそうな日常を見て、より孤独を感じたり同じように出来ない自分への焦りを感じやすくなったのではないか。

 

コナーの家族に真実を話して彼らのもとを去った後しばらくして、エヴァンはゾーイと再会を果たす。場所はエヴァンが始めたコナープロジェクトで再建したりんご園で。

 

そのあとエヴァンは自分にこう語りかける「Dear Evan Hansen 今日はいい日になりそう。なぜなら隠れることもなく嘘をつくこともなく、君は君でいられるから。」

 

嘘から始まったこととはいえ、自分自身が周りに影響をあたえて始まったコナープロジェクトで再建したりんご園をみて、そして嘘偽りのない自分でゾーイと話すことができて、彼は自分自身を認めることができたのではないかと思う。

 

誰かの目線で自分の人生を見て、誰かとの比較で人生を評価するとき、いつも幸せでいることはとても難しい。

誰かに評価されることを意識した自分ではなく、そのまま自分自身でいられること、そしてその自分を自分自身が認められること、それこそが本当の幸せではないかと思う。

 

 

この作品はぜひ来日公演できてほしい。

きっと多くの人が共感し、何かを考えるきっかけになる物語だと思うから。

楽曲担当のパセック&ポールはララランドや来年公開予定のグレイテスト・ショーマンの曲も手掛けているし、きっと話題性はあると思うんだよな…。

 

 

ついでに、海外ドラマSMASHの中に出てくるミュージカルHit Listもパッセク&ポールが楽曲提供をしていてとても良い曲が多いのでぜひ見てほしい。

年明けにHit List制作をしているカイル役のアンディ・ミエンタスさんがNew Year コンサート出演のために来日予定だよ!

 

 

台本を見て思い出しながら書いてみたけれど、英語はあまり得意ではないので意味が違っていたらすみません。

細かい楽曲やキャスト語りはまた今度。

 

 

 

NYのお勧めのハンバーガー店

 

BWで見たミュージカルの感想をゆるゆる書いているのですが、ちっともすすまない…ということでさらにゆるっと食べ物の話題を。

 

 

アメリカといえば、ハンバーガー!!!

という安直な考えで、NY旅行中にハンバーガーを7店まわってみました。

その中で個人的ベスト3を紹介させてください。

 

 

第3位

The Counter

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住所:7 Times Square, 41st&Broadway,New York NY 10036-6524

 

タイムズスクエアの中心地からすぐの所にあるお店。

このお店の凄いところはバンズや具材、ソースやチーズ、肉の焼き方まで全部自分で選択できる点!!

しかも、具材によっては追加料金がかかるものもありますが、基本的にはベーシックな具をどれだけ追加しても無料だとか✨

自分好みのハンバーガーを作って食べれる上に、めっちゃ美味しいという素晴らしいお店です…。

 

正直私は英語が得意ではないので一部具材やらソースやらはちんぷんかんぷんでしたが、そんな私でも美味しいハンバーガーにありつけました。笑

ソースはよく分からなかったからお店の名前がついてるやつをとりあえずチョイスしておきました。

 

あと、さつまいものフライがとても美味しかった!!

 

 

 

 

第2位 Cream line

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75 9th Avenue,New York, NY  10011

 

写真を撮る前にかぶりついてしまったため、写真は拾ったものです。笑

 

ChelseaMarketにあるハンバーガー屋さん。

一見普通のハンバーガーですが、ここのハンバーガーのバンズはふわっふわで甘くてとっても美味しい!

店名にCreamとついてるだけある…。

バンズがめっちゃ美味しい!!って思えるハンバーガーがめずらしかったので個人的には2位です。

 

ちなみにここのシェイクもとても美味しかった…。

 コーヒー味を頼んだのだけど、ちゃんとしっかりコーヒーの味がした(語彙力)

 

ちなみにChelseaMarketはLobsterPlaceのロブスターやその隣のスープ屋さんもめっちゃオススメです…

いろんな種類のパスタから好きなやつをチョイスして好きなソースで食べれるパスタ屋さんとか、牡蠣が安いお店とかいっぱいあって住みたいという気持ちしかない。

ちなみに有名だけどFatWhichというブラウニー屋さんも美味しくて可愛くてお土産にとても重宝します。

 

ちなみにChelseaMarketはブロードウェイからはちょっと遠いですが、Sleep No More の会場から近いので足を伸ばすついでにいかがでしょう。

 

Sleep No Moreについてはこちら↓

 

yunom.hatenablog.com

 

 

 

第1位 Ruby's  cafe

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219 Mulberry Street,Soho New York, NY 10012

 ブロードウェイ周辺からはちょっと遠いソーホーのあたりにあるので電車で行かなきゃいけないのですが、ここのBronte Burgerはめっちゃ美味しい!!

NYで食べた中ではぶっちぎりで1位でした!

ランチタイムに行ったのですが、40分ほど並びました。お持ち帰りもできるよ。

ちなみにフレンチフライもサクサクしてて、一緒についてくるマヨネーズもめっちゃ美味しくてとてもよい。

ちなみにこのお店でほかのハンバーガーも食べましたが、圧倒的にBronte Burgerが1番美味しかったので迷わずにオーダーすることをお勧めします。

ちなみにパスタも美味しいというクチコミを見たのでそれも食べてみたかった…。

 

 

 

ちなみにNYの人にどこのハンバーガーがオススメかを聞くとSHAKESHACKを推される率が高かったです(笑)

たしかに実際美味しかったけど、日本で食べるのと同じ味だったのであえて食べなくても良いかなーと個人的には思いました。

 

Game of Thronesが面白すぎて社会生活が困難になった話。

 

アメリカで大人気のドラマ、Game of Thronesという作品をご存じだろうか。

正直、私は最近見始めたばかりのにわかなのであまり詳しくないのだけど。

 

ざっくりストーリーを説明すると架空の国に存在する複数の名家が王位をめぐって争う話(ざっくりしすぎ)

あらすじについてはおそらくオフィシャルサイトを見た方がわかりやすいのでそちらを参照していただけたらと思います。説明が難しいのです。

 

最初友人からこの作品を進められたとき、なんか話が壮大そうだし、登場人物も多いし…と結局半年間も見ずに過ごしていました。

そして、なんとなく最近見始めたら面白すぎて生活のほとんどの時間頭の中が七王国だし、空いてる時間(いやむしろ空けてる)はほぼGame of Thronesを見るという社会生活が割と困難な状況になる始末。

先が気になりすぎて1日で1シーズン見終わるとか余裕でできてしまう。

GoT、恐ろしい子ッ!!

見るのをやめとけばよかった。いや、でも見てよかった。

 

私はこの作品を人に勧めるとき、『ぐろくて割と人が死ぬロード・オブ・ザ・リング』『西洋の大河ドラマ』という言葉を使用することが多いです。

正確には割と別物ですが、なんとなく雰囲気を伝えられて興味を持ってもらえるかなぁと思うので。

 

Game of Thronesはさまざまな登場人物が、あるものは自分の意思で、そしてあるものは半ば巻き込まれる形で、力や策略を駆使して争っていきます。

主役かと思っていた人も突然死ぬし、お気に入りのキャラも突然死ぬし、そうじゃなくても割と不幸になったりするので先の展開が読めず、見るのをやめることができなくなります。

 

ロード・オブ・ザ・リングを最後に見たのはおそらく中学生の頃なので大まかなストーリーしか覚えてないのですが、あの話の主役はフロドであり、いろいろピンチにさらされつつもモルドールの火山で指輪を消滅させるという目的を果たすまで主役が退場することはなかったと思います。

 

しかし、もしもあれがGame of Thronesの世界だった場合、おそらく1作品目の序盤で奇襲にあった時点ぐらいであっさりフ●ドは死に、指輪が奪われるなんて展開もありえます。

(ファンの反感を買ったら恐ろしいのであえて伏字でお送りします。)

中学生の頃、私含む女子をキャーキャー言わせたレ●ラスあたりはおそらく敵を矢で倒しドヤ顔を見せた直後に後ろから敵に殺される的な展開もありえる。

容易に想像できる。

 

という感じで、「え、重要人物じゃないの?」というような人がばっさばさ死体となり(しかも割と惨い死に方をしたりする)、要所要所でハートブレイクを経験して、「王位の行く末を…見守るしかない…。」と血を吐きながら見進めてしまう恐ろしい作品です。

しかも未完。どうなるかわからない。こわい。

 

グロさ的にはシーズン1の1話が大丈夫であれば問題ないと思われます。

私もグロイのは苦手ですが何とかなっています。

そして割と肌色率(というか全裸)高めだったり、セクシーなシーンも多いので、間違ってもよい子は家族団欒の場で見ないことを全力でお勧めします。

 

というわけで楽しいのでみんな社会生活困難になっちゃえ~とゆるーくお勧めしてみました。

 

 

 

 

Sleep No More ネタバレ感想

 

前回紹介したスリープノーモアで私が見たシーンを紹介していきます。

時系列で書いていく予定ですが、いくつか順番が前後したり忘れているシーンもあるかもしれません。

※ネタバレ注意です。

できれば何のネタバレも見ずに体験したほうが楽しいと思うので、これから見る予定の方は読まないことをお勧めします。

参加した方が、こういうシーンもあったのねーと思ってもらえれば+備忘録目的で書いてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレベーターを降りて、役者さんを探してしばらく歩いた後、大きなホールで数名がテーブルについて食事を楽しんでいるシーンに遭遇。

そこに入ってくる血まみれの男と女

二人が各々端と端の席につき、席についている人達が血を流しながらお酒を飲み始める。

そしてテーブルの前で最初の血まみれの男女が乾杯し、そして全員がバラバラとその場を離れていく。

 

血まみれの男女がマクベスマクベス夫人では?

 

ということで、血まみれの男を追いかけることに。

 

血をふき取り衣服を着替えて、黒人の使用人と話をしている。

 

他の部屋に移動したかとおもうと、いきなり妊婦と取っ組み合いを始めるマクベス

しかもめっちゃ激しい。そして妊婦を思い切り壁に叩きつけ始める。

動かなくなる妊婦。し、死んだ?

この女性、マクダフの妻だったようですね。

 

3人の魔女に「あなたは王になる。」という予言をうけ、妻にそそのかされてダンカン王を殺し王になったマクベスは、「バンクフォーの子孫が王になる」という魔女の予言を恐れ罪を重ねていく。

(いろいろあって)マクダフの城を襲い妻と子を殺し、最終的にマクダフに殺される…とWikipediaで見た気がするので、妻殺しのシーンだったのでしょう。

 

そのまま走りさるマクベス。急いで追いかけるがかなり足が速くすぐに見失ってしまい、追いかけている人についていく形に。

すると、階段のあたりで上に行く人、下に行く人と二つにわかれる。

みんなマクベスを追いかけてたんじゃないの!?と混乱しつつ、勘で上を選び運よく正解。

今思うと、おそらく他のキャストが下にいったんじゃないかなーと。

もたもたしてるとおいて行かれることがわかったので、常に役者さんの周辺をうろつく作戦に変更。

 

ホテルのロビーのような所で女性達と話すマクベス

3人の女性は予言の魔女かな。予言を与えられるシーンなのかなと推測。

 

そのあと、バスルームとベッドのある部屋(自室?)で紙に書かれた文字を読むマクベス。そして(おそらく)マクベス夫人と争いだす。

 

そのままどこかに去るマクベス夫人。

 

森のような所で何かに怯えたように歩くマクベス

 

そしてそのままボールルームの2階へ向かい下を眺める。下ではマクベス夫人が男性と踊っている。

怒って(?)その場を離れ部屋に戻る。

寝室に戻ってくるマクベス夫人。ベッドに座り、妻がマクベスにせまる。

妻を避けるマクベス。そして再度二人は争いだす。

広い会場いっぱいで行われるアクロバティックなダンスに息をのむ。

マクベス夫人はしきりに「Do it!」と言っていた気がするので、王殺しをそそのかすシーンなのかなと予測。

 

そのあと、王の眠っている寝室に行くマクベス。少し遠くて見えづらかったけど、おそらく眠っている王の顔に何かを押し付けるマクベス。王は初めは身じろぎし抵抗するが段々動かなくなる。

そして、マクベスの両手が真っ赤に染まる。

 

そのまま部屋に戻るマクベス。服を脱ぎ、お風呂に入り血を洗い流す。

戻ってきたマクベス夫人も血を洗い流すのを手伝う。

そしてそのあとたしかベッドに入り眠ろうとしていたが、眠れないマクベスはふらふらと部屋の外に出ていく。

 

おそらくこの次に見たシーンが本当に忘れられない。

 

マクベスと3人の魔女(ふつうの女性、スキンヘッドの女性、狼のような獣の頭をかぶった全裸の男性)が部屋の中で激しくダンスをしているシーン。

部屋の照明がすごいスピードで点いたり消えたりして、まるでコマ送りのように見える中、魔女が血まみれの赤ん坊を取り上げたり、一人の魔女を高く持ち上げたりしているのが本当に異世界に迷い込んだように幻想的だった。

あまりに衝撃的な体験過ぎて、2巡目(正確には3巡目)もそのシーンを見てしまった。

2巡目の時は早めに場について待っていたので前の方で見れたのだけど、照明がついた瞬間に顔の数㎝ほど前に獣の頭をした男性の顔があって思わず悲鳴を上げてしまった。

 

 そしてマクベスは黒人の使用人と激しく争い彼を殺す。この時の男性二人の取っ組み合いを表現しているであろうアクロバティックなダンスもすごかった。

 

それから最初に見た食事会のシーンに戻る。

どの役者さんを追いかけていてもこのホールに集まる仕組みになっているようで、ホールの中にはこんなに観客がいたのかと驚いた。

 

1巡目(正確には2巡目)で運よくマクベスを追いかけることができたので、2巡目は脇役を追いかけようと思い館内をふらついているとマクダフの妻を発見。

彼女は自室に入りコートを脱ぐと、何かに怯えるように屋根裏のキリストの絵の前でお祈りをし始めた。

男性(おそらくマクダフ?)が入ってきて、マクダフの妻を優しく慰める。

2人は仲が良さそうに部屋に戻り、向かい合わせのソファーに座わる。

男性は妻をソファーごと引き寄せてキスをする。

 

ラ、ラブコメが繰り広げられている。

 

さっきまで血なまぐさい殺戮ばかりを見てきたのに、心温まる夫婦愛を見ている。

同じショーを見ているとはとても信じられない。

 

 

そのあと妊婦を見失ってふらふらしているとスキンヘッドの女性を発見。

スキンヘッドの女性は男性を誘惑したり黒人の使用人とキスをしたりと自由な感じで行動している。

 

そして1巡目で見たフラッシュのシーンを経て、次は獣の頭をかぶっていた全裸の男性についていくと男性はシャワー室に入りシャワーを浴び始めた。

室内は狭く、脱衣所の中に入れたのは私を含め3人くらい。

それ以外の人はドアの外からその状況を眺めている。

 

さっきは暗くて気付かなかったけれど、男性はガチで全裸だったので驚いた。

 

書き忘れたけどマクベスの妻もスキンヘッドの魔女も上半身裸になっていたし、後日勧めてくれた友人が男女が割とリアルに全裸で致しているシーンを見たといっていた。

その演出にOKが出るアメリカ本当にすごい。

 

話を戻そう。シャワーを浴びたあと、私の隣の客に男性はジェスチャーで『タオルをとれ』と指図する。

そのあと私を指さして、同じようにシャツを着せるようにジェスチャーをする。

運が良ければ役者さんと絡みショーに参加することもできるのもSleep No Moreの楽しいところ。

 

そのあとまた宴会のシーンに戻る。

そして、3回目の宴会のシーンは流れが違った。

私は3回目だからよいかと上の階からそのシーンを見たのだけど、できれば目の前で見たかったなと後悔。

どんな流れだったかは、あえて書かないこととします。

 

 

 

新感覚の体験型ショー Sleep No Moreに行ってきた

 

 

 

NYに行くと話したら、友人が激推ししてくれた。

 

「絶対Sleep No More(スリープノーモア)に行ってほしい!本気でクレイジーだから!!!」

 

これね。

まぁ、ミュージカルじゃないから時間が余ったら行くかー…くらいの気持ちで同行者に話したら、演劇に対する興味が薄いのにめずらしく食いつきが良かったためチケットを購入することとなった。

 

感想についてはこれから語りますが、まずこれだけ言わせてほしい。

 

 

NYに行くなら絶対Sleep No Moreに行ってほしい。

 

 

間違いなくクレイジーで芸術的で意味不明でそして素晴らしいショーだった。

そして私がこれからどれだけこの演目について語っても現地で体験時の高揚感は1/100も伝わないだろう。

 

 

ネタバレなしで見た方がきっと楽しいと思うので、まずは話のネタバレなしの紹介を。 

 

【Sleep No Moreとは?】

NYのチェルシーにある廃墟ホテル『The McKittrick Hotel』で行われているほぼ無声の演劇です。いわゆるオフブロードウェイ作品ってやつですね。

 

1939年に完成し、ニューヨークで最も華やかでデカダンのホテルになるはずだったその場所は、第二次世界大戦の開戦から2日後、開業予定の6週間前に閉鎖され、開業することはなかったとかなんとか。

 

この謳い文句だけで気になってきませんか?そうでもない?

 

一応メインのストーリーとしてはシェイクスピアの『マクベス』と映画『レベッカ』がもとになっているようです。

ようです…というのは私はその作品のどちらも見てない(読んでない)から。

私がしたことといえば、列に並んでいる間にWikipediaマクベスを調べただけ。

それでも十分に楽しめましたが、二つの作品を予習していくとより楽しめるようです。

 

 

 

【この作品、他のショーとは何が違うの?】

この演目のめずらしいところは、6フロア+地下の100部屋以上の部屋(だったかな?)のあらゆるところで20人ほどの役者さんが各々演技をしていているのを、観客である私たちが歩いて(というか大体走って)探し見ていくという形式をとっているところ。

 

 本来の映画や舞台であれば、ストーリーと関係のないところで脇役が何をしているのかを見ることはできないですよね。

しかし、この舞台ではストーリーと関係ないところでも脇役は存在し生活していて、それを“その役を追いかける”という自らの選択で見ることができるわけです。

そしてストーリーとは関係のないわき役も存在しています。

なので自分が見たシーン・役者さんによっては全くストーリーを理解できないまま終わるということもありえるわけです。

というか、たとえ主人公を追いかけたとしても作り手が想定したストーリーを完全に理解することは不可能だと思います。

見たものを自分なりに解釈し、自分の中で自分だけのSleep No Moreという作品を作っていく。そしてそれこそがこの舞台の楽しさだと思います。

 

たとえば、ある部屋で男と女が言い争い、そこからバラバラに離れるとする。

男を追いかけるか、女を追いかけるか。

どちらを見たいか、それともその二人は置いておいて他の人を探すか。

何を見るかはあなた次第なのです。

 

一人の役者さんを追いかけるもよし、なんとなく歩いて遭遇した場面を見るもよし、メインストーリーを通るもよし、ストーリーと関係ないキャラを追いかけるもよし。

とにかく自由度の高い作品なんです。

 

そして表現の方法としては無声の劇で、ときには激しいコンテンポラリーダンス(って言うのかな?)が繰り広げられたりします。

本当に間近で激しいダンスが繰り広げられるので思わず息を呑んで見入ってしまうこと間違いなしです。

 

 

劇は1回1時間の同様のものが3回行われます(厳密には全く同じというわけではない)

が、たとえ一番最初に並んだとしても、最初からストーリーが見れるとは限りません。

(その理由については後述します。)

自分の買ったチケットがその日の3公演目のものでも1公演目から見てもOKなので、とにかく早めに行っていろんなシーンを見ることをお勧めします。

 

 

【実際に会場についてから話が始まるまでどういう流れなの?】

 

ホテルに着くとまず、クロークに荷物とコートを預け、受付でトランプを渡されます。

私は2人で参加したのですが、同行者とは違う数字のトランプを渡されました。

 

そして暗い道の中を歩くとバーにつきます。

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バーでは客に紛れて、何やら金持ちそうなセクシーなお姉さん(多分役者さん)や支配人のような人が話したりしています。

 

そして、支配人のような人が次々と数字を呼び、その数字のトランプを持っている人が別室のようなところに通されていきます。

 

というわけで、早々に同行者とお別れです。

 

一応中で合流することは可能ですが、できればもう同行者のことは忘れて一人で回ることをお勧めします。

なぜなら中で走り回るときに同行者とはぐれないことに気をかけると役者を見失うから。

 

私は7のトランプを持っていたので呼ばれたのはだいぶ後の方でした。

ぞくぞくと集まる7のカードの方たちとエレベーターの前に通され、支配人に仮面を配られます。

 

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そして、中では仮面を外してはいけないこと、しゃべってはいけないことを説明されます。

仮面をかぶった瞬間、役者さんからは通常時は決して見えない透明人間の出来上がり。

 

周りにいる人達が行動を共にする人か…と思いながらエレベーターに乗り込み、

何階かはわからないけれど止まったフロアで周り人が続々と降りていく…

と思ったら途中で止められ残りはさらに別の階に…というのを繰り返してさらにバラバラにされます。

そして、お化け屋敷みたいに暗い部屋の中放りだされます。

そこから歩いて役者さんや何か起きている場所を自分自身で歩いて探すわけです。

 

会場内は広いのでこれが意外と見つからない。誰もいない真っ暗な部屋を一人で歩くのはとても心細かったです。

しかし、館内にはいろんな部屋があって、そしてその一つ一つがとても丁寧に作りこまれていて見てて飽きないのです。

バーのような所、病院の処置室、本がたくさん置かれた部屋、墓場、森のような場所、ボールルーム、寝室。

ここがホテルの中であることを思わず忘れてしまいます。

 

そして私が最初に見たシーンは、なんとエンディングでした。

時間差で案内されたため、始まるシーンも観客によってバラバラなのです。

普通、開演の30分前から並んだのに着いた時にはエンディングなんてことありえます?

でも、その瞬間から、私のSleep No Moreは『どうして最後のシーンに至ったのか』を探る回想劇になったわけです。すごくない?

 

【Sleep No More楽しむために】

元ネタの二つの作品は時間があれば予習をしておいた方がより楽しめると思います。

 

入り口でパスポートの提示を求められるため、忘れないようにしてください。

 

そして、一番気を付けることは動きやすい格好で行くこと

 役者さん達、本当にびっくりするぐらい早く走るので、追いかけるのは至難の業です。

もたもたしているとたいてい途中で見失います。

 

ケータイを持っている人もたくさんいましたが、荷物も思い切ってクロークに全部預けた方がいいかなぁと個人的には思います。

真っ暗な中走るので、転んだり身体をぶつけたりは普通にします。

 

私は足をぶつけた時の青あざがまだ治りません。 

 

あとネタバレになるので詳しくは話しませんが、場合によっては汚れるので汚れていい格好で行くといいと思います。

 

そして、せっかく仮面をつけて透明人間になれるので、思い切って役者さんの近くで演技を見た方が楽しいと思います(あと追いかけやすい)

そして思い思いに役者さんを追いかけてください。

 

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 こんなかんじで。

 

最初は主人公のマクベスを探して、彼を追いかけるのが一番ストーリーが理解しやすくていいかなぁと個人的には思います。

といっても、初見で誰がマクベスかを判別するのは難しいし、その前にそもそも出会えない可能性もあるので完全に運次第ではありますが。

だいたい人が集まっているところで大きなイベントが行われていることが多いです。

 

そして2巡目、3巡目で好きなキャラを追いかけてみる。

マイナーキャラを追いかけると、ストーリーは負えないもののレアなシーンが見れたり、役者さんに絡まれたり、役者さんと二人きりで長い時間閉じ込められたり(笑)もするみたいなので、それはそれで楽しい。

 

そして終わったら、自分の見たもの、他の人が見たものをぜひ話してください。

みんな驚くほどにバラバラで、「そんなシーンあったのか!!見たかったー!!」となること間違いなしです(笑)

 

というわけで、

NYに行くならSleep No Moreに行ってほしい。

 

そして、どんなものを見たのかぜひ教えてほしい。

 

 

次はネタバレありで、私が見たシーンを書いていきます。また後日。

 

 

HEDWIG AND ANGRY INCH  Special Showを見てきた

 

 

Hedwig and the Angry Inchという作品をご存じだろうか。

私がこの作品に出会ったのはたしか高校一年生の頃である。

いつだって出会いは偶然。月に2回通っていた近所の図書館に、それは置いてあった。

 

置いた人は本当にどうかしていると今でも思う。

 

PTAが怒りだして撤去されても悲しいので、多分私の記憶違いで、出会いは近所のツタヤということにしておこう。そう、近所のツタヤです。

 

当時、ミュージカルといえば美女と野獣オペラ座の怪人、最近のお気に入りはムーラン・ルージュという認識をしていた私には衝撃的な出会いだった。

当時はまだドラァグクイーンという言葉すら知らなかった。

何故最初にパッケージを見て怯まなかったのか。始まった瞬間、明らかに女装(あくまで当時のままの感想です)をした男の人が歌っているのを見て思った。

 

あ、これ親に見られちゃいけないやつだ。

 

そんな感じで、エロ本をこっそり見る男子中学生さながら、家族が不在の時にこっそりと見たことを今でも覚えている。

(のちに作品が進むについれ美しさが増してくヘドウィグに魅了されるのだけど。)

 

自分の片割れを探す男でも女でもないヘドウィグ。

中二病の卒業証書が見えてきて、恋愛にも興味深々の高校1年生に響かないわけがなかった。

いや別にこの作品=中二病とか言いたいわけではない。

むしろ、この作品は誰もが考えたことのある普遍的で共感できるテーマが描かれていると思う。

 

そうじゃなければ、アラサーの女子会で「私の運命の人はどこにいるのか(直訳)」なんて話題が盛り上がるわけがない。

 

人生で一度たりともそういうことを考えたことがない人だけが石を投げなさい。

 

マズロー欲求階層でも所属と愛の欲求や承認欲求があるように、愛されたい誰かに自分を受け入れ認めてもらいたいという感情は人間の普遍的なものだと思います。

そして、ヘドウィグのアングリーインチは形は違えど誰もが持っているものじゃないかなと思うわけです。

 

話が脱線しすぎた。

ストーリーについてはとりあえず、見てくださいとしか言えない。

今までほとんど手に入らなかったDVDが、なんと10.18に再販みたいです。

しかも1429円(税別)この機会にぜひ!

 

 

そんなHedwig and the Angry InchのJohn Cameron Mitchellがヘドウィグ役で日本に来る!!!

という衝撃的なニュースを見て、最初につぶやいた言葉がこちらである。

 

 

 

金でなんとかしようとした報いか、残念ながら3公演とも抽選落ちた日本死ね

 

 

そんなときに3公演とも当選したという幸運の女神が微笑みまくっているフォロイーさんの有難いお誘いを受けて、無事にジョン・キャメロン・ミッチェルを生で拝むことができた。

1963年生まれということは…54歳。

奇しくも(?)うちの父親と同じ年である。

ありえない、私の知っている54歳と違う。明らかに違う。美しすぎる。

彼の周りだけ時間の流れが違うんじゃないかと思うくらい美しすぎる54歳がそこにいた。

パフォーマンス中に疲れたよー的なジェスチャーを所々みせるけれど、完全にフリだけでその後の動きのキレが全然落ちない。むしろあざとい。あざとさしかない。

 

内容は、Special Showとはよく言ったもので、ダイジェスト版ヘドウィグといった感じだった。

たしか中村中はイツァーク役だと聞いていたがヘドウィグの歌以外のパートや母親、そしてトミー・ノーシスとすべての役を演じていた。

(歌以外)中村中の一人ヘドウィグ・アンド・ザ・アングリーインチと言っても差支えがないくらい大活躍しており、あのプロモーションで本当に良かったのか中村さん謙虚すぎやしないかと思ったレベルである。

 

演出で特に残念だったのは、あの演出にしてしまうと最後にヘドウィグがウィッグをイツァークに渡すシーンがかすれてしまうんだよな。

自由を手にするには代償が必要と言われ女になり、結果『アングリーインチ』が残ってしまったヘドウィグが、同じく一緒についてくるためにイツァークに禁じた『ウィッグをかぶる』という行為を認めるという行動はあの作品の一番大事な部分だと思うんですよ。

 

いや、あなた今まで何回もウィッグつけてましたやん。

(イツァークの時ではないけれど。)

 

となってしまうのが否めないというか。

 

あといろんなところで噂には聞いていたが字幕は完全に死んでいた。

 

しかし、ジョン・キャメロン・ミッチェルの歌は最高だった。

映画のままのヘドウィグがそこに存在して涙しそうにすらなった。

歌だけではなく、動きやちょっとしたしぐさですらヘドウィグだった。

家帰って映画も見たし、サントラ聞いたけど、ショーで見た姿や声がそっくりそのまま存在していてイメージを壊すことなく復習ができた。

未だにイメージを壊したくなくてFNLのサントラが聞けない私には有難すぎる話である。

それだけで本当に見る価値はあったと思うし、実際会場は死ぬほど盛り上がっていた。

 そしてあの難しい役をこなした中村中さんも本当にすごいと思う。

 

そして直後の感想がこれ

 

 

多分あのショーは位置づけ的に、Hedwig and the Angry Inchが好きで何度も見ている人のための脳内補完を要するダイジェストショーなのだと思う。

だけど、プロモーションの仕方が「オリジナルキャストのHedwig and the Angry Inchが見れるよ!」的な感じだったから、不満に思う人も出てきたんだろうなってとても残念に思う。

客層見る限り、多分ヘドウィグという作品が本当に好きなんだろうなっていう人がいっぱいいたから「ヘドウィグの曲をジョン・キャメロン・ミッチェルが歌うよ!あとダイジェストで話の流れも紹介するよ!」的なプロモーションでも十分人が集まったと思うんですよ。

有名なミュージカル俳優のコンサートだってミュージカルじゃないけど人集まってるわけじゃないですか。なぜそれじゃだめだったの。

本人が見れて、好きな作品の歌が聞けるかも!ってだけでファンは集まると思うんですよね。だからプロモーションの仕方だけが本当に残念で。

 

プロモーションの会議で「ヘドウィグ?え、それは人気な作品なわけ?曲だけで本当に客集まるの?」「じゃあ、こういう宣伝文句にして人集めましょう。」的なやりとりがなされたんじゃないかと邪推してしまうくらいには残念。

 

本当に感動したし、とても満足のいく時間だったがゆえにそれだけが気になってしまった。

しかし、今回の企画には感謝でしかない。むむむ、その矛盾が苦しい。

 

そして気合い入りすぎてうっかり間違えて1時間前に入場列に並んでしまったのだけど、そのおかげで買えたTシャツが可愛かったのでとても満足している。

後ろがヘドウィグの髪型になってるよー!かわいいー!

入場開始7分で完売とかいうツイートみてびびる。

やっぱファン層厚いんだからプロモーションの仕方を…

 

 

 

 

ファインディング・ネバーランド

 

シアターオーブで上演中のFinding Neverlandを見てきました!

 

簡単に作品の説明をすると、アカデミー賞7部門にノミネートされ作曲賞を受賞した、ジョニーデップ主演の『ネバーランド(原題:Finding Neverland)』をミュージカル化したものです。

だれもが知っている作品『ピーターパン』が誕生するまでの実話だそうです。

海外ドラマgleeのウィル・シュースター役のマシュー・モリソンさんが主演を演じたことでも有名ですね。


最近節約を心がけているので、リピーターチケットを買えないように千秋楽のプレミアムシートチケットをあらかじめ購入していたのですが…

ツイッター見てるとあまりにも評判がいいので、ついチケットを買い足して見に行ってきてしまいました。

 

千秋楽、最前列で字幕見えないしね!何事も予習が大事だよね!!

それに、趣味にお金使わなきゃ何に使うんだって話ですよ!

 

結果ほんと見に行ってよかった~!!意思の弱い自分本当にありがとう!!

って満面の笑みで言いたくなりましたね。ばかなのかな。

 

あまりにも良すぎて、この感想を!!!伝えたい!!!という熱い気持ちで、

前々からやりたいなーと思っていたブログとか初めてみたりね、してるわけですよ。

 笑いあり涙大いにありの物語、派手なダンスやわくわくする演出!そして口ずさみながら帰りたくなる音楽!とミュージカルの醍醐味を詰め込んだような作品でした。

できれば普段ミュージカル見ない人にもぜひ見て欲しい作品です。

 

ネタバレは控えめで書こうと思ってますが、話の内容には触れるので真っ新な気持ちで見たい!!って人はとりあえず見ないようにお願いします。

 

 

 

まず、ブロードウェイ版とツアーでは最初の演出が結構違うみたいですね。

その点は賛否両論あるみたいですが、ブロードウェイ版を見たことのない私は『サントラとちょっと違うな~』程度で気にせずに楽しむことができました。

できればブロードウェイ版も見てみたいなとは思いましたが。

 

有名な劇作家のバリは新作を作っているのだけど、思い浮かぶのは昔の作品と同じようなものばかりで仕事に行き詰っている…という状況から話がはじまります。

公園で未亡人のシルヴィアと4人の子ども達と出会ったバリは、父親を亡くし遊ぶことをやめてしまったピーターに遊ぶけと想像することの楽しさを思い出させようと奮闘し、一緒に遊んでいく中で、自分たちの空想だけで冒険をしたりする子どもの想像力に感化され、自分の中にいる子供の頃の自分の気持ちを思い出していく。

バリ自身も人の評価されることや挫折を恐れるあまりに自分の書きたいように話をかけていない自分に気付かされ…シルヴィアや子供たちからイマジネーションを経てピーターパンの話を書き舞台を作っていく

という感じの話だっとと思います。自分なりの解釈なので、違うところもあるかもしれないですが。

 

子どものころにみんなやっていたであろう『ごっこ遊び』

あの時は自分たちの想像の世界が、確かに現実に存在していて。そこでは何にでもなれて、どんなことも可能だったはず。

私たちはいつからそういう想像や空想をするのをやめて、ただありのままの現実を見つめるようになったんだろう。

大人になる、常識的な考えで生きるってなんなんだろ~?

そんなことを考えさせられる作品でした。 

 

とくに一幕の終わりのナンバー、彼自身の心の声であるフック船長に背中を押されて、バリが周りに理解されなくても本当に書きたいものを書こうと決意を固めるStrongerは本当に鳥肌もので、号泣しました。

キャストさんの歌もダンスも演出も本当にすごくて、圧倒されます!

 

その前のナンバーCircus of Your Mindからの流れ、ダンスと演出が本当にかっこよすぎて…頭が真っ白になりました。

あの流れと、最後のピーターパンのシーンだけでも個々でお金払ってもいいくらい。

 

バリの脚本を見て、キャストさんたちが最初は戸惑いながらもピーターパンを一つの作品に仕上げていく過程もとっても楽しかった!

プロデューサーのフローマンが酒場で皆の士気をあげたりと、またかっこいい!バリにいろいろ言いはするけど、バリのことをとても信頼していたんだろうなぁと感じました。

 

一番好きなのはやはり、ピーターパンの初日のシーン。

あまりネタバレしないようにぼんやりと書きますが、Neverland(Reprise)のシーンでの『飛ぶ』演出。本当にすばらしかった。

今の時代、他にもいろんな表現方法が実現可能だし、もっと直接的な方法だってできたはずなんだよね。

だけど、あの演出!!

本当に、作品の中で何度も出てきた『イマジネーションを働かせる』というテーマを見ている観客の頭の中で実現させる粋な演出だなって思いました。

今まで見たどの飛ぶ演出よりも飛んでたよ!!!涙で視界がぼやけまくってたけど!!

 

 

話自体は、本当に笑あり涙あり…といった感じで、特に私は1幕途中から2幕最後までずっと泣きながら笑っているような状態でした。

子どもが見ても楽しめると思うけど、疲れた大人にみてほしい。そんな作品でした。

 

 

気付いたらもう1日分チケット買ってましたね。

おかしいな?ちょっとした魔法かな?

でもこの感動をずっと新鮮な状態で閉じ込めておくことはできないから、見に行くしかないよね、ほんとね。

お金もイマジネーションで増えればいいのにね!